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ニューヨークの亡霊
(CURTAIN CALL)

1999年/米
[監督]ピーター・イエーツ
[出演]ジェームズ・スペイダー/ポリー・ウォーカー


[あらすじ]
由緒ある出版社の若社長スティーブンソンは、
マンハッタンに中古豪邸を購入し、恋人ジュリアと同棲を始める。
ところがこの豪邸には、スティーブンソンにしか見えない二人の幽霊がとり憑いていた。
それは、この豪邸の元所有者で、往年の映画俳優コンビであった老夫婦マックスとリリー。
老夫婦の幽霊は仲が悪く、顔を会わせれば途端に口論となり、
スティーブンソンとジュリアの仲にもチョッカイを出しては二人の仲を険悪にさせる。
結婚をめぐり、すれ違い気味の若い恋人達と、
お互い素直になれず諍いばかり繰り返す老夫婦の幽霊。
こじれた二つの愛の行く末は。
 
[感想]
仕事は敏腕でも、私生活では浮ついた青年実業家が、
幽霊、恋人、仕事に翻弄される中で人間的に成長するハートフル・ラブコメディ。
ドタバタに笑う一方で、恋愛の在り方について考えさせられました。

結婚で生活を束縛される事を躊躇するスティーブンソンと、妻を「足かせ」扱いするマックス。
・・・恋人(夫)のこんな態度に、パートナーとして悲しくならない女性がいるでしょうか。
ジュリアは別の男といちゃついてみせて、スティーブンソンの気持ちを試すのですが、
そんな態度に打って出る彼女の気持ちもよく判ります。

罵り合っても心の繋がりが深い老夫婦の幽霊と接するうちに、
大切な伴侶を慈しむ事を学び得たスティーブンソン。
フワフワと優柔不断だった彼が、地に足を付ける決心をつけ、
ジュリアに言ったクライマックスでの「愛してる。」の言葉は、
冒頭の彼が言った同じセリフとは比較にならない程、心がこもっていました。
彼の誠実な求愛に、ジュリアでなくとも嬉し涙が溢れます。・・・女はこういうのに弱いのです。
そんな女心を理解していただくためにも、男性に是非見ていただきたい映画です。
心温まる二つの愛の結末と、スティーブンソンの新たな人生の門出に、
誰もが心優しくなれる事でしょう。

悪気の無いお節介でスティーブンソンを困らせる老夫婦の幽霊は、お茶目で愉快で、
あんな幽霊ならいくらでもお友達になりたいものです。

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