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カフェ・ブダペスト
（BOLSE VITA）
１９９６年／ハンガリー
［監督］フェケテ・イボヤ
［出演］ユーリ・フォミチェフ／イーゴリ・チェルニエヴィッチ

［あらすじ］

ベルリンの壁崩壊後の混迷する’９０年ヨーロッパ情勢の中、
東欧と西欧の交差点・ハンガリーの首都ブダペストに辿り着いた若者達。
放浪のロシア人ミュージシャンコンビ、ユーラとワジム。
西欧への脱出を夢見るロシアの若者セルゲイ。
変革の傍観者、イギリス人女性マギーとアメリカ人女性スーザン。
そして、市場を拠点に闇商売をする出稼ぎロシア人リョーニャや、
そんな人々の流れとブダペストを見守る、下宿屋の女主人エルジ。
時代も人も交差するブダペストを舞台にした、国も言葉も夢も違う様々な人々の物語。

　

［感想］

ベルリンの壁の崩壊、各地での民族紛争、ペレストロイカ政策期のソ連・・・
旧体制の終焉による当時の東欧全域の混沌と、その渦中で生きる人々の希望と不安。
激動の時代に自由を夢見た主人公達の夢と挫折の物語。

時代に翻弄されただけの主人公達の末路は、どれも呆気なくて拍子抜け。
様々な思惑を抱え、ブダペストを去る者、留まる者、進む者、そして、新たに訪れる者・・・
こうして人々の往来に流されるように、急速に様変わりしてゆくブダペスト。

ラストでそれぞれの岐路を進んだ主人公達。
この直後に起こるソ連の崩壊を、彼らはどのような境遇＆心境で迎えたのでしょうか。
そして、この十数年での変貌の中、どう生きているのでしょうか。

陸続きでも安易に越えられない国境。あまりに遠い隣国。あまりに違う文化と歴史。
孤島の日本人にはなかなか理解し難い、奥が深く、難しいヨーロッパが、
僅かながらも理解出来た映画でした。

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