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風が吹くまま
(THE WIND WILL CARRY US)

1999年/イラン=仏
[監督]アッバス・キアロスタミ
[出演]ベーザード・ドーラニー


[あらすじ]
イランの山麓にあるシアダレ村には、奇妙な風習の葬儀が伝わるという。
その村でもうすぐ死にそうな老婆がいると聞き、
チャンスとばかりに、遠路はるばる葬儀の取材に来たベーザードと取材班。
しかし老婆はなかなか死なず、一向に取材は進まない。
辺境の地で足止めを食らい、焦りと退屈でイラつく取材班などお構いなしに、
永久不変の毎日を生きるシアダレ村の人々。
 
[感想]
ドラマ的には全く起伏の無い、ドキュメンタリ風の映画。
しかし、見知らぬ土地に滞在するというのは、まさにこの映画のような感じではないのでしょうか。
そこらの紀行番組のように、毎度毎度、その土地で劇的な事件や触合いがある訳ではなく、
むしろ、シアダレ村の人々のように、
来訪者の事など気にもしないのが、本来の姿なのではないでしょうか。
 
取材班がどんなにアクセクしようと全く意に介さず、
シアダレ村の人々は、それぞれの日常パターンから逸する事がありません。
村人は「おはよう」「こんにちは」の繰り返し。
ひたすら畑仕事をする人、穴を掘り続ける人。
取材班の世話係の少年ファザード君は、何があっても勉強、勉強。
亀も、フンコロガシも、お構いなしに一途に歩くのみ。
やがて、携帯電話が鳴る度に幾度も車を走らせ丘を駆け上がるベーザードの姿さえも、
いつしかこのシアダレ村の不変的な時の流れの一部になっています。
 
荒涼とした道や輝く黄金色の麦畑、様々な表情のイランの大地、
まるで迷路のような、そして美しい、探検心をくすぐるシアダレ村の町並み。
気になってしょうがなかった、奇妙だという葬儀の内容。
是非シアダレ村の呑気な風に身を任せてみたいと思うとともに、
無性に牛乳が飲みたくなる映画でした。

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