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白い花びら
（JUHA）
１９９８年／フィンランド
［監督］アキ・カウリスマキ
［出演］サカリ・クオスマネン／カティ・オウティネン

［あらすじ］

田舎に暮らすユハとその妻マルヤは、働き者で仲の良い農夫婦。
二人はある日、車の故障で立ち往生していた来訪者シュメイッカを世話する。
今までユハとの生活に何の不満も抱く事がなかったマルヤだが、
都会の紳士シュメイッカの甘い誘惑に乗せられ、
彼女は都会の暮らしに憧れを抱くようになる。
田舎暮らしに魔がさしたマルヤは、ユハとの暮らしを捨て、
シュメイッカと共に都会へと向かう。
しかし、夢みた都会で浮かれたマルヤを待ち受けていたのは、
シュメイッカの恐るべき正体と罠だった。
　

［感想］

このご時世にあえて白黒無声映画で撮られ、しかも「金色夜叉」チックな古典的物語。
しかし、お宮をゲタで蹴りつけた貫一とは違い、
ユハの怒りの矛先はシュメイッカ。
手斧を振り回し怒り心頭のユハの復讐劇と、なんとも救われないラスト・・・。
　
「上」を夢見たらキリがない、そして容易く得られる筈は無い。
今ある穏やかな現状がいかに幸せかと言う事を、マルヤが身をもって示しています。
「甘い話」が氾濫するこの世知辛い世の中の警鐘のようでした。

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