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緑色の部屋
(LA CHAMBRE VERTE)
1978年/仏
[監督]フランソワ・トリュフォー
[出演]フランソワ・トリュフォー/ナタリー・バイ
- [あらすじ]
- 第一次世界大戦中、激戦地で多くの友人の死を見届けた兵士ジュリアン・ダヴェンヌ。
終戦後、帰還した彼は最愛の女性ジュリーと結婚をするが、彼女もすぐに死を迎えてしまった。
それ以来、ダヴェンヌは外界から心を閉ざすようになり、
日夜密室に閉じこもっては、今や心の中にしか存在しない妻や友へと思いを巡らすことに執着するようになってしまった。
- [感想]
- ダヴェンヌの考え方では、死者=記憶から忘れ去られた人。
だから死んだダヴェンヌの妻や友人達は、彼的には死んだのではなく「心の中で生き続ける人」なのです。
自分が心変わりをして「心の中の人々」を忘れ、死者にしてしまわないように、現実から逃避し、変化を嫌い続けるダヴェンヌ。
ついには、自分が死んでも「心の中の人々」が生き続けられるように、彼らの為の祭壇までこしらえてしまいます。
自分が忘れない限り、「心の中の人々」は永遠に生き続ける。
過剰なまでに信念を貫くダヴェンヌですが、でも彼の言い分は不思議と納得してしまいます。
もし私が死んだら、どれだけの人の心の中に、どれくらい残るのだろう・・・。
死んでも誰かが心で私を思ってくれるのなら、なんだか死も怖くない気がします。
本当に悲しく、怖いのは、私の肉体が滅び、なお全ての人に忘れ去られた時に迎える、本当の「死」。
いろいろと考えさせられる映画でした。
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