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雨あがる
1999年/日
[監督]小泉堯史
[出演]寺尾 聰/宮崎 美子


[あらすじ]
長雨の増水で川止めに遭い、立ち往生の旅人達。
小さな旅籠で缶詰状態の旅人達の中には、流浪の貧乏侍とその妻もいた。
貧乏侍は、剣の腕はたつものの人当たりが良すぎて、なかなか職に恵まれない。
しかし、ひょんな事から果し合いの現場に遭遇し、果し合いを仲裁した貧乏侍は、
その功績から殿様に見初められ、剣術指南役に抜擢されるチャンスに恵まれるが・・・。
 
[感想]
山本周五郎・黒沢明のビッグネームが含まれるテロップを見て、難しくて人間臭い映画かと思いきや、
なんだか時代劇というより、まんが日本昔話でも見ているかのようなお手軽映画でした。
 
なぜか役職に就いてもすぐに職を離れてしまう侍さん。
人柄が良すぎるというのもありますが、なんとも腰が低すぎて、不器用で、私でも見ててイライラします。
たしかに役人には向かないと思います。
 
それにしても、クライマックスの奥さんのセリフ、涼しい顔して強烈なイヤミを放ちましたねぇ。
夫の良さが判らない奴はでくのぼうですか。はいはいそうですか。
慎ましそうに見えて、腹の中では何考えてるのか判らないタイプですねぇ。
表では友達面してても、影では悪口言いそうな性格で、友達にしたくないすねぇ。
そんな風に考える「でくのぼう」な私には、この侍さんや奥さんの「良さ・優しさ」は肌に合いません。
よって、その「良さ・優しさ」が売りであるこの映画は、私には「押し付けがましい」感じで辛かったです。
 
不器用でろくに仕事も出来ないのに、人様の心配ばかりしているこの侍さんよりも、
昼行灯ながらもちゃんと仕事をしていて、影で世直しをしている「必殺仕事人」の中村主水のほうが好きな私は、でくのぼうで結構です。

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