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室戸岬の廃墟

am6時。
まだ夜の開けきらぬ室戸スカイラインを走行中、岬で一番見晴らしの良い断崖に廃墟が建っていました。
そのあまりにも奇抜なデザインの好物件に、好奇心むき出しで早速廃墟に近づいてみました。
なんとこんな朝早くから、廃墟の駐車場に先客がいます。
そこにいた地元ナンバーの車のおじさんは、車のドアを開けたり閉めたり、ウロウロソワソワ、どこか落ち着きがありません。
なんか私がいてはマズいような事をしようとしてるのかなぁ?と勘繰りつつ、こちらも気にしない素振りで建物を観察します。
入口には、「ニュー室戸」と記されており、元はレストラン兼ドライブインだったようです。

 
入口は壊れてウェルカム状態だったので、ムラムラと探索心が湧いてきます。
普段は怖い&危険&モラルを考えて廃墟には侵入しないのですが、 せっかく四国くんだりまで来たのだから、ちょっとだけお邪魔させていただきます。
ヘルメットとグローブをはめたまま、いつでも逃げ出せる格好で侵入。
 
入口にあるゲーム機の年代から、廃墟歴は20年くらい経っているようです。
この建物からそびえる3本の塔の内部ははらせん階段となっていました。
らせん階段を登ってみますが、随分とケタが低い階段で、私でも少し腰を屈めないと登れません。
営業していた頃は、皆、不便と思いつつも腰をかがめて上のレストランへと上っていたのでしょう。
建物から突き出した3階にあたる部分は、台風が破壊したのか、壁が落ちて無くなっていました。
そのお陰で、明るくて廃墟とは思えない開放感。
ちょっと掃除して、白いテーブルと椅子を置けば、たちまち地中海のリゾートホテルの出来上がりです。
らせん階段を登りきると屋上に出られました。
さすが、室戸で一番の高台にある建物、屋上からは室戸随一の絶景!
岬のトンガリ具合が手に取るように判ります。
建物を貫く3本の塔。
なんだかウルトラマンに出て来た怪獣・キングジョーのようです。
この中にらせん階段が渦巻いているのです。
らせん階段の手すりは芯まで朽ち果ててボロボロ、危なくて絶対に触れません。
恐る恐る覗いてみると、なんと見事なスパイラル!
まるで映画「第七天国」のラストシーンを彷彿する造形美です。
階段のケタが低いから、たった4階分のらせんでもこんな綺麗な渦巻きになるのですね。
侵入から5分も経たないうちに、建物から撤退。
おじさんは何をするわけでもなく、まだそこでウロウロしていました。
駐車場に、風雨に晒されて文字盤が消えかかった時計が落ちていました。
このレストランにかかっていたものでしょうか。
 
この廃墟は結婚式場も兼ねていたようなので、ここで結婚式を挙げた人達もいるのでしょうね。
地元の人が寄り合い、旅行者達が休憩し、楽しいひと時を過ごした建物の夢の跡。
人が訪れなくなったレストランを、静かに見守りつづける時計。
なにか感慨深い、熱いものがこみあげてきました。
 
さて、これ以上の長居は無用です。
おじさん、どうもお邪魔様でした。
私はもう立ち去りますので、心おきなくナニかをして下さい。

所在地 高知県室戸市


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