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レ・ミゼラブル
(LES MISERABLES)

1998年/米
[監督]ビレ・アウグスト
[出演]リーアム・ニーソン/ジェフリー・ラッシュ


[あらすじ]
市民が貧困に喘ぐ19世紀パリ。
ひもじさから一切れのパンを盗んだ罪で捕われたジャン・バルジャンは、囚人として酷い仕打ちを受けてきた。
投獄から19年、仮出所したバルジャンに、教会の神父は一晩の宿と食事を施す。
しかしバルジャンは神父の恩を踏みにじり、教会の銀器を盗んで逃亡。
神父はそんなバルジャンを警察から逃し、彼に更正を促す。
それから数年後、脱走犯という正体を隠し、善人として人々のために生きるバルジャン。
そんなバルジャンの前に、ある日、彼の過去を知る男・ジャベール警部が現れる。
 
[感想]
手に汗握る逃亡劇に、涙々の世知辛い展開。
言わずと知れた、ユゴー原作の「ああ無情」です。
 
パンを盗んだだけで19年間も投獄され、獄中で酷い扱いを受けてきた、と言うのが、映画でのバルジャン。
でも私が読んだ原作では、パン窃盗の軽犯罪だったのに、幾度も脱獄未遂を繰り返して罪を上塗りした結果、19年の囚人キャリアを誇る根っからの悪者=バルジャン、だったような。
映画では、バルジャンは長年の囚人生活ですっかり卑屈になってしまい、出所後の不安からくる出来心で銀器を盗んでいます(そのように見えます)が、 原作では、元来の窃盗癖で銀器を盗んでいます。
この二つの違いは、後の神父の慈悲の意味合いまでも変えてしまうと思うのですが・・・。
ただ、どちらの展開でも、神父がバルジャンを逃がすシーンは感涙必至。
 
神父の慈悲により解放され、見事なまでに改心したバルジャン。
グリーンフィンガーズ」でもそうでしたが、罪人に必要なのは、なによりも慈愛なのかもしれません。
どんな罪人にも救いの手を・・・な〜んてちょっとキリシタンな気持ちになってる時に、ちょうどサリン事件等々で多くの罪を問われている某宗教教祖の判決がありました。
相変わらずな彼の罪の意識の無さっぷりを見て、「こんな奴に慈悲を与えるだなんて、その行為こそが犯罪だよなぁ。」と虚しくなってしまいました。
 
ラストであの堅物公人ジャベールがみせた彼の精一杯の「慈悲」。
ジャベールは任務を遂行していただけで、何も悪くないのに、慈悲と公務で葛藤する彼を救えない・・・あのシーンこそがまさに「ああ無情」な瞬間。
「ショーシャンクの空に」や「逃亡者」のラストとは違う、心に重い「逃亡からの解放」の結末です。

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