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肥後の石橋〜通潤橋/1
 
熊本県山都町にある通潤橋は、石積みアーチが美しく、放水風景が有名な水路橋です。
高台過ぎる為に川から水が引けず、慢性的水不足で悩む白糸台地の人々の為に、1857年に完成しました。
国の重要文化財指定、今でも現役で白糸台地に水を供給し続けています。

九州は昔から石工が盛んで、城の石垣や石橋の施工技術に長けていました。
九州の中でも熊本が輩出した石工集団「種山石工」は、その高い技術力で江戸の日本橋や万世橋なども手がけました。
 
この地の惣庄屋・布田保之助の依頼で、種山石工達が持つ技術を駆使し作った傑作が、通潤橋です。
水不足で困っている人々の為に財を投げ打ち、集落を救った布田保之助さんの像が、橋のたもとにあります。
道の駅通潤橋にバイクを停めて、歩いて3分くらいで通潤橋に着きます。
 
通常放水は、田植え期を除いた土・日曜日の正午だけです。
しかし訪れた時はGWで観光客が多いからか、この日は1日に3回(10時・正午・2時)放水予定です。
 
橋の土台は地盤の弱い台地を考慮して、武者返しになっています。
なんと美しき石積み!
橋から高い所を流れる用水にある、3つの取水口。
ここから水を取り、橋の水管を流れていきます。
 
木の水門が当時のままでレトロです。
 

橋の上には、3本の石管製水路が走っています。
高所から下った水はサイフォンの原理で橋を渡り、対岸の高所まで引き上げられます。
 
石管は、右の写真の石をたくさん連ねて作られています。
石に彫られた溝に漆喰を流して1つ1つ接合していき、長い管になっているのです。
さすがに石にかかる水圧が物凄いようで、水管の接合部のところどころから水がにじみ出ています。

水路の詰まり抜き用に、水管の真ん中に穴が設けられています。
普段は松の丸太の栓がしてあり、外して放水します。
ちなみに片側だけ栓を外すと、その水圧で水路や橋が歪むので、放水する時は必ず両側から水を抜いて、力の均衡を保ちます。
 
さて、放水が始まりました。
 
肥後の石橋〜通潤橋/2へ続く

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