12時10分、やっとこさ高谷池ヒュッテに到着。
普通なら3時間半もかからない道のりを、4時間以上もかかってしまいました。
運動不足と寝不足と空腹で、ここまで来るだけで早くもフラフラです。 |
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さっそくヒュッテでテント泊を申し込み、設営開始。
テン場はどこもかしこもグチャグチャで萎えるなぁ。
私が設営を始めたら、「こっちの方がいいよ。」と、おじさんがいきなり私のテントを移動。
そして、私のテントの隣にピッタリ密着して、おじさんもテントを設営。
おじさん…近いよ…近すぎるよ…。
おじさんはテントを設営するや否や、
さっそく火打山に行きたそうにしています。
でも、私はバテバテなので、少し休みたいし、
なにより、梓川SAで早朝に肉まんを食べたきりなので、お腹がペコペコです。
火打山へ行くのを渋ってみましたが、おじさんは私と行く気満々なので、
空腹のまま、トホホと火打山へ出発します。 |
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高谷池ヒュッテの前には池塘が広がっています。
その池塘を巻いて、火打山へと登っていきます。
ヒュッテから火打山の山頂までは1時間半くらいですが、
私のバテっぷりでは、2時間以上かかりそうです。
それにしても、おじさんは全く休むことをしません。
疲れないんだろうか、お腹が空かないんだろうか。 |
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高谷池から20分ほどで、天狗ノ庭と呼ばれる池塘平原に至りました。
ここが、私の今回の目的地です。
池塘に映る紅葉の逆さ火打山が見るのが、長年の夢でした。
しかし残念ながら紅葉はとっくに終わり、
風が強くて波が立ち、池塘に山が映りません。
ここから少し進みましたが、もう体力も気力も尽きました。
おじさんはしっかり寝て、朝ご飯もしっかり食べたのでしょうが、
私は夜中の1時から寝ずに寒い中バイクで走り続けて、
肉まん一つのエネルギーだけでここまで来たんだ、ハッキリ言おうシャリバテなんだよ!
私はもうこれ以上行けません、おじさんだけでも登頂して下さいと切り出しましたが、
「君を置いて自分だけ登るなんて出来ない、明日登ろう。」キリリとおじさんは言いました。
あぁそうですか…と、思わず白目をむきました。
明日もおじさんと一緒に行動することになりそうです。 |
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登頂を諦め、2人でテント場に戻ってきました。
しかし、おじさんのテントとピッタリ密接しているため、
煮炊きをしようものなら、すぐにおじさんに気付かれ、
おじさんと顔を突き合わせて一緒に食事するハメになります。
お願いだから、しばらく一人にさせてくれ…。
食事は、おじさんが寝静まってからにしようと、
まだ14時半でしたが、空腹を我慢してとにかく寝ました。
一度おじさんに起こされた気がしましたが、
疲れで19時まで熟睡しました。
そっと外をうかがうと、おじさんは寝ているようです。
やっとストーブとコッフェルを出し、テントの中で夕食を作り、
念願の食事をしました。 |
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夕食で腹が満たされ、至福のまま再び眠りにつき、
23時頃に再び起きました。
テン泊登山の醍醐味、星空を見るためです。
テントの前室を見ると、私の靴がビニール袋に入れてあります。
私が寝ている間に、靴が凍らないようにおじさんが袋に入れてくれたようです。
おじさん、気持ちは嬉しいけど、女のテントを勝手に開けないでくれ…。
テントから外に出ると、うひーーー!寒い!
温度計は-5℃をさし、テントのフライがバリバリに凍っています。 |
見上げれば、満天の星空です!
ガチガチ震えながら、写真を撮りつつ星空を堪能しました。
テン場は、晩秋の平日だというのに大盛況です。
しかもその半分以上が、若い外人さんの団体です。
しかもおそろいのテントなので、留学生の山岳部とかなのかな?
とにかく、登る人も、下る人も、外国人さんが多かったです。
14時に寝る前には、スマホにはまだ60パーセント以上バッテリーが残っていました。
それから全ての通信を切って省エネモードにして、しかもシュラフの中で温めていたのに、
目覚めた時には、なぜか完全にバッテリー残が無くなっていました。
これでは、ラジオも、歩数計も、山旅ロガーも使えないではないか。
…これは、「山に登った時ぐらい俗物から離れよ!」という山神様のお怒りなのか?
火打山トレッキング/4へ続く |