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八幡浜から、R197佐田岬へと向かいます。
遊子は独特の段々畑でしたが、四国はどこに行っても急斜面の段々畑だらけです。
八幡浜も、山肌が見渡す限りのミカンの段々畑です。
地元の人は見慣れていて何とも思わないでしょうが、
跨線橋くらいしか坂道のない平野に暮らす私にはビックリする光景です。 |
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急いでいるのは、行った事のない佐田岬の先っぽに行ってみたいからです。
しかしやたら長細い佐田岬半島、R197をひたすら走りますが、一向に岬に近づきません。
佐田岬から夕陽を見たかったのに、このままでは岬に辿り着く前に日没になりそうです。
しかもどんどん曇ってきて、雨がパラつき始めました。
九四フェリーの乗り場がある三崎港まで頑張って来ましたが、
夕陽は絶望的なので、佐田岬は諦めました。
港近くのローソンで食材を買い、店から出てくると、雨が本降りになっていました。
レインウェアを装着し、今日のキャンプ予定地である須賀公園を目指して、
R197を引き返します。
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細長い佐多岬半島のほぼ中間地点にある、道の駅瀬戸農業公園の横の脇道から、海岸線に下っていきます。
グーグルナビの案内で、小さな漁村の端っこにある須賀公園に到着。
ツーリングマップルには、キャンプが出来る公園と記してありますが、公園入口にあるキャンプ場管理棟は閉鎖されて随分経っています。
入口の車止めのポールをすり抜けて進入して堤防道路を進み、公園を偵察。 |
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■須賀公園
気になっていたのは、
マップルに「公園内に人間魚雷で亡くなった方の慰霊碑がある」と記載されていた事です。
たしかに公園内には、大きな慰霊碑や、若い戦没者の顔写真付きの説明書きや、
プロペラを模した石碑もありました。
日本のために命を捧げてくれた若者の慰霊碑を、
怖いとか思うのは本当に申し訳ないのですが、
でもこの人里離れた場所の異様な雰囲気…怖いもんは怖い! |
慰霊碑より怖いのは、その奥に広がる暗い森です。
この森の中こそがキャンプ場で、炊事場や水場や街路灯がありますが、管理されておらず荒れています。
もちろん蛇口から水は出ないし、街路灯も付くとは思えません。
ただ、慰霊碑横のトイレだけは綺麗に保たれ、街灯も付くようです。
森の中には神社や祠が点在し、沼のような不気味な穴もあります。
こんな怖い森の中で寝られるか!
森の横の堤防道路沿いなら、空が見えて恐怖に耐えられそうだったので、雨に打たれながら道路脇のスペースにテント設営。
昨夜の暴風に懲りたのと、この後お風呂に行くためテントを離れるので、しっかりペグダウンし、細引きも四隅ちゃんと引っ張りました。
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■亀ヶ池温泉
テントを設営したら、そのまま5qほど先の亀ヶ池温泉に行きます。
近くに亀ヶ池という池があるようですがスルーしてしまいました。
どしゃ降りの中レインウェアを脱ぎ、入浴し、またレインウェアを装着し…面倒だなぁ。
でも、昨夜入浴できなかったし、段々畑散策で汗をかいたので、
今宵はどうしてもお風呂に入りたかったのです。
お風呂から出てきたらもう真っ暗、しかも雨も風も強くなっていました。
強風に煽られてヨロヨロしながら、公園に戻ります。 |
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18時、テントに戻ってレインウェアを脱ぎ、ホッ。
雨は小康状態ですが、ゴォゴォと暴風が吹き荒れます。
予報を見て雨は覚悟していましたが、なんなんだこの強風は!
まさか2日連続でテントを内から支えなきゃならないとは。
ローソンに寄ったものの、あまり食欲がなかったので、
ワインとおつまみしか買ってきませんでした。
前室でコーヒーを沸かそうと、テントのドアを開けた時、
フライの隙間から前室をのぞいていた野良猫と目が合い、ビックリ!
私は今でこそ猫が好きになりましたが、以前は猫が怖くて嫌いだったのです。
今でも暗闇の野良猫の光る眼が怖くてダメです。
恐る恐るフライの隙間から外を見てみると、
少し離れた場所からこちらを伺う光る眼が…。
暴風で唸り声をあげる暗い森、お化けが出そうな神社や祠、暗闇に光る猫の眼…。
怖いよう怖いよう…
絶対夜中にトイレなんか行けないよう…
昨夜の残りの追加でワインを買い足したのに、手を付けられませんでした。
楽しみにしていた塩パンと良心市のミカンは食べました。
塩パンはグラーノグラーノと同じくらい美味しかったです。
塩パンの相場はひとつ100〜120円なのですが、パンメゾンは一つ80円台(うろ覚え)で安い!
ミカンも小ぶりながらムチャクチャ甘くて美味しい!
三日目の走行距離… 245q お小遣い帳… ガソリン&食料&キャンプ場代 4795円 |
須賀公園DATA (一名&バイク一台で利用の場合)
住所…愛媛県西宇和郡伊方町三机乙803
金額…無料
サイト…慰霊碑の前に広い芝地、森の中はフカフカ腐葉土、堤防道路脇にも狭いですがスペースとベンチがあり、私はそこで泊りました。
バイク駐輪場…公園内には乗り入れ不可。堤防道路に路駐できますが、夜は釣り人の往来があるのでセキュリティは自己責任で。
トイレ…水洗で綺麗。
ごみ箱…なし。
最寄のお店…付近には皆無。道の駅が近いですがアテにはならないので三崎か八幡浜で事前調達を。
最寄のGS…一応R197沿いにありますが、やっぱり事前に余裕を持って。
最寄の風呂…5qほど先に亀ヶ池温泉。
その他…キャンプ場の姿をしていますがキャンプ場として機能していません。
炊事場の水は出ないので、持参しないとトイレの水道を使うハメになります。
私は亀ヶ池温泉でお水を分けていただきました。
公園入口に車止めポールがありますが、バイクはすり抜けて奥に進めます。
感想…佐多岬の中間の小さな漁村の先っぽにある公園。
夏は海水浴客でに賑わうようですが、シーズンオフは怖いくらい静かです。
ただ、突堤に向かう釣り人の往来はあります。
トイレも釣り人の為にライトを付けて保たれている感じです。
本来のキャンプ場である森の中の営幕は、あまり快適には思えません。
慰霊碑の前の芝生は綺麗に整備されて快適です。慰霊碑の存在を気にしなければ…。
'18四国ツーリング後編/1へ続く |